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柔らかい肌のあのレビュー・感想・評価

柔らかい肌(1963年製作の映画)
3.9
相手の部屋の鍵を退けて自分の部屋の鍵を挿す手元の面白さ、飛行機の扉からホテルの扉へ、流れるような浮気の導入が素晴らしかったですが、その後の展開には面白みがなく、ラストも正直予想の範疇を出ない衝撃しかありませんでした。

しかし、建物から車へ、車から建物への流れるような繋ぎのうまさはピカイチで、しかも飛行機まで挟まれていたので、ストーリー自体に飽きは来ても、鑑賞に耐えないものでは決してありませんでした。

「ピアニストを撃て」のセシル・ドキュジス然り、本作も女性のクローディーヌ・ブーシェが編集を担当していたようですが、この時期のトリュフォー作品は、腕の立つ女性編集者に恵まれていたんだなと思いました。

雨が降っても強風が吹いても雪が降っても気にも留めずに敢行するロケーション撮影の柔軟さにも驚くばかりです。
あ