HidekiIshimoto

柔らかい肌のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

柔らかい肌(1963年製作の映画)
4.5
ガチガチの不倫ドラマ。文芸評論家がスッチー(死語)に沼っていく様を実録的に描いてて、軽快なのにずっと不穏。良き夫良き父の見本のような、マストロヤンニの真面目な兄ちゃんみたいな主人公が沼る相手は、マストロヤンニのお似合いパートナーだったドヌーブの実姉フランソワーズときた。沼るのも仕方ないと全男人類が思うと思う。なんちゅー姉妹だ。マルチェロじゃないんだからやめとけやの心配をよそに底なし沼っていく主人公。対する聡明なフランソワーズ。じわじわ怖いトリュフォーの不倫解剖学。もっと怖いのは後の『隣の女』。同じように沼ったインテリ男は世界中に2億人くらいいると思うけど、マルチェロくらい優柔不断になれない男に浮気する資格などないのだよ。優柔不断なのに浮気も出来なかった俺とか男の資格もないのかも。タイトルから何から映画的恍惚に溢れた不倫映画。