このレビューはネタバレを含みます
最初の100分が昼ドラのようで死ぬほど退屈だったのが、ラスト15分で突如たたみかける変化球は、割とツボ。
ま、そうなるわな…て話なんだけど。
メソメソ泣いていた奥さんの鬼変化と潔さ、ラストの微笑みは恐怖以外の何物でもない。
いつの世も、男と女。
錯綜しすれ違う気持ちだけは、コントロール不可。
トリュフォー作を見続けていると、何故か三島由紀夫の小説を度々連想する。
世界観は別物でも、男と女を取り巻く不安定な世界の描き方。いや、不安定なのは人の気持ちだけであって、世界はただ目の前に転がっているだけ。
あたふたと、感情のままに動き世界に弄ばれる人間たち。
その滑稽な姿はきっと何世紀も前からずっと変わっていない。