まるのすけ

早春のまるのすけのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
3.9
小津安二郎監督が描く不倫ものということで期待に胸を膨らませ鑑賞。

幼い子を疫痢で亡くし倦怠期を迎えた30代の夫婦が主役。サラリーマンの夫が同僚女性に誘惑されるかたちで関係を持つ。しかし不倫はすぐに気付かれ、夫が子供の命日を忘れたこともあり妻は家を出ていってしまう。

関係が噂になり同期社員達に吊るし上られるシーン、岸惠子の肝の座り方が凄かった。

「あんな兵隊だから日本は戦争に負けたのよ」という妻の台詞など、戦後10年を過ぎた作品だが戦争の空気が色濃く残っている感じだった。