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詩人の血の一人旅のレビュー・感想・評価

詩人の血(1930年製作の映画)
3.0
ジャン・コクトー監督作。

詩人であり、小説家、劇作家、画家、映画監督でもあった20世紀フランスの多才ジャン・コクトーの第1回監督作品です。

上映時間60分弱のコンパクトな作品ながら、シュールレアリスムな映像の奔流で魅せていく前衛映画の古典作となっています。明快な筋書きはなく、不思議な異空間に迷い込んだ詩人の青年の彷徨を全4話のチャプター構成で描いています。

ジャン・コクトーの自由奔放なイマジネーションに基づく独創的な映像世界が全編にわたって映し出される詩的なアバンギャルド映画で、トリック的な撮影技法や過激な流血描写は30年代当時の観客には相当に衝撃的だったと思います。映画監督だけでなく芸術界の多方面で活躍したジャン・コクトーの類い稀な独創性が光った作品です。
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