Jimmy

男の世界のJimmyのレビュー・感想・評価

男の世界(1934年製作の映画)
3.8
クラーク・ゲーブル主演、男どうしの友情に泣かせられるドラマを描いたW・S・ヴァン・ダイク監督作品。脚本にジョセフ・L・マンキウィッツが入っている。
幼い時に親友だった男の子がそれぞれ別の道を歩んで、一人はギャングに、もう一人は検事になるという物語。こうしたドラマは往年のアメリカ映画ではよく見られる話。ジェームズ・キャグニー主演の『汚れた顔の天使』なども同様。(あちらはJ・キャグニーがギャング、かつての友人P・オブライエンは神父だった…。)

この映画では、冒頭で旅客船火災があり、孤児になった二人の少年が妻を失った男性に育てられる。
二人の少年は、ブラッキーとジムといい、二人の成長する時間を「画面二分割して、年号を表示しながら、右に法律参考書、左にギャンブル風景という映像」がそれぞれ別の道を歩んでいることを示唆する描き方が見事。

ブラッキーはギャングとなるが、こちらがクラーク・ゲーブル。
ジムは検事補→検察官→州知事となるが、こちらがウィリアム・パウエル。

このブラッキーは(クラーク・ゲーブル)が賭博場で儲けているが、汚職警官と通じていて、警察のガサ入れタイミングを知っていて、自分は逮捕されない。彼と付き合っている女性(マーナ・ロイ)は「もう、こんな生活は止めて」と頼むがブラッキーはワルを続ける。そして、負けた金を払わない男を射殺したりする非情の男。ただ、これをさりげなく演じているのがクラーク・ゲーブルなので、極悪人という感じはしない。クラーク・ゲーブルは鼻の下のチョビヒゲといい、この映画の少し後の『風と共に去りぬ』の雰囲気に似ている。でもギャング…(笑)

一方のジム(ウィリアム・パウエル)がブラッキーの女と行くのがコットンクラブ。
その後、ジムは、ニューヨーク州知事まで上り詰め、裁判所で旧友ブラッキーの悪事を糾弾するのだが……

この二人の友情がクライマックスで実に感動的に描かれていて、さすが製作者=デイヴィッド・O・セルズニックが作ったMGM映画であり、感動の涙なくしては観られない。
なかなか感動的な映画だった。
Jimmy

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