BOB

マイアミ・バイスのBOBのレビュー・感想・評価

マイアミ・バイス(2006年製作の映画)
3.2
マイケル・マン監督が、製作総指揮として携わった80年代大ヒット刑事ドラマ『特捜刑事マイアミ・バイス』を映画化。

マイアミ麻薬捜査官のソニー&リコが、FBIから協力を依頼され、国際麻薬組織を潜入捜査する。

"Life is short, time is luck"

テレビシリーズ未見。

楽しめる所は楽しめたが、全体としては期待を下回る作品だった。もうひとつ引き込まれるものがなかった。

一番の難点は、誰の視点からストーリーを追えば良いのか分からなかったこと。ソニー&リコのバディ潜入捜査モノでありながら、二人のドラマより、ソニーとイザベラのロマンスに比重が置かれていて、リコは途中から完全に消えてしまう。

潜入捜査サスペンス、バディ刑事ドラマ、ロマンスドラマ、夫婦ドラマなど、どのエピソードも浅く、中途半端だったこともマイナス。テレビドラマの数話分を、映画サイズに無理矢理詰め込んだような印象を受けてしまった。

調べてみると、『Ray』でオスカー俳優となったジェイミー・フォックスのギャラ交渉が難航したり、ハリケーン直撃によりロケが延期されたことも影響し、何度も脚本の書き換えを余儀なくされたらしい。

やはり、マイケル・マン作品は、リアル志向のガンアクションと、ムーディーな夜描写、男心くすぐる乗り物描写(本作では、海を飛ぶように走るモーターボート)が魅力。

個人的白眉のシーンは、人質奪還シークエンスで、女性捜査官が敵の脳みそを正確に撃ち抜くシーン。銃を構えたまま、数秒後に起こることを事細かく相手に宣言し、その言葉通りに実行する。最高にBadassだった。

細かい所ではあるが、クライマックスの銃撃戦シーンの中に、カメラの画面に水滴や血が付いたまま撮影しているショットがあった。そこまで、リアルを追求しているのかと唸らされた。

俳優。本作のMIPは、ジェイミー・フォックスでも、コリン・ファレルでもなく、コン・リー。コン・リーの"世界を舞台に活躍するビジネスウーマン"っぷりは様になっていた。ただ、中国系がラテン系の役を演じているのはさすがに違和感があった。

音楽チョイスは抜群。Linkin Park "Numb"♪が鳴り響くオープニングのクラブシーンはテンションがぶち上がったし、エンドロールで流れる"In the Air Tonight"♪(オリジナルドラマの重要なシーンで使用されたアイコニックな曲とのこと)も渋かった。

"What will happen is... I will put a round at twenty-seven hundred feet per second into the medulla at the base of your brain. And you will be dead from the neck down before your body knows it. Your finger won't even twitch. Only you get dead. So tell me, sport, do you believe that?" 🔫💥🩸

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