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美少女戦士セーラームーンSuperS セーラー9戦士集結! ブラック・ドリーム・ホールの奇跡のmaverickのレビュー・感想・評価

4.0
もっと内容の薄い映画かと思ってたら、いやいや面白かった。子供向けのアニメ映画って、東映まんが祭り的な、とりあえず劇場版作りましたってノリのものが多いから。でもこれは一本の作品としてしっかり作ってある。60分の時間内でよくまとめてあるなと。

アニメ『美少女戦士セーラームーンSuperS』を基にしたストーリーの95年の劇場作品。『セーラームーン』は実は昔から大好きで。とりあえず1話を観てみたらハマっちゃって。キャラが可愛いだけじゃなくて、変身シーンとか必殺技の演出が凄くかっこいいんだよね。展開も熱いし。『聖闘士星矢』に通じる部分があり、男の子にも人気がある女の子向けアニメの筆頭格だと思う。うさぎちゃん、レイちゃん、亜美ちゃん、まこちゃん、美奈子ちゃんはそれぞれにキャラ分けがされており、そこもまた魅力だった。自分は美奈子ちゃん派だったけど、みんなかわいくて大好き。それぞれのエピソードを見れば全員好きになるよね。月と水金火木の内部太陽系戦士の彼女らに加え、天海冥の外部太陽系三戦士、天王はるか、海王みちる、冥王せつなの3人も絶大な魅力があった。特に、はるかさんとみちるさんの二人のカッコよさは異常なほど。変身シーン、登場の曲、名乗り、攻撃力高い必殺技と、どれもこれも超絶かっこいい!うさぎ達より年上で大人びた、華麗で優雅な姿も魅力的すぎる。この二人はほんとかっこよかったなぁ。

本作ではセーラーサターンである、ほたるちゃん以外の9戦士(ちびうさを含む)が揃い踏みする。全員一丸となって戦う姿は胸熱だ。とはいっても戦闘シーンの描写は結構やっつけ。個々の必殺技の披露といった印象くらいしかない。本作の魅力はドラマパート。ちびうさを主軸とした話で、ちびうさの淡い恋物語、そしてうさぎとちびうさの親子の絆を感じさせる良い話。普段文句言い合ってる二人だけど、お互いのことを大事に思っている気持ちがしっかりあって。何だ良い親子じゃないかと感動する。子供の時に本作を観た人も、親になってから改めて観ると感じ方も違うと思う。良い話だなと。

ゲスト声優の内の一人は『機動戦士Zガンダム』の主人公カミーユの声の飛田展男。タキシード仮面の声であり、『機動戦士Zガンダム』でもアムロ・レイとして共演した古谷徹とのガンダムつながりがファンには嬉しい。ちびうさと恋仲になる、本作のペルルを演じる坂本千夏も『Zガンダム』で共演してるしね。声をあてる声優さんはみんな上手くて、声色にうっとりしてしまう。やっぱアニメはちゃんとした声優さんじゃないと。

作画はめちゃくちゃ良いし、話も結構しっかりしてる。戦闘シーンだけわちゃわちゃしてるけど、60分でこのクオリティは凄い。
うさぎちゃんを中心とした女子会のノリとかもほっこりさせる。良い時代のアニメ。今観てもクオリティ高くて安心出来る。
OPで、うさぎちゃん達の小さい頃が見れるのは必見。すでにこの頃から個性が表れてて微笑ましい。子供向けの優しい作品性と、大人の鑑賞にも耐えうるハイクオリティさ。海外にも熱狂的なファンが存在し、フィギュアスケートのメドベージェワもその一人。『美少女戦士セーラームーン』はやはり偉大なアニメだったなと再確認でした。
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