このレビューはネタバレを含みます
ナチスに魅了されてしまったアメリカ小僧と、
ナチスと濃密に関わったドイツ爺さん。
お互いにギリギリのところで「普通」を保ってきたはずなのに、お互いに出会って「狂気」を増大させてしまう様が、言い表せない恐怖を感じさせる、、。
デンカーさんとトッドの立場が逆転していくのと同時に、少しずつトッドにもデンカーさんの「魂」のようなものが乗り移っていくのも怖かった。
最後まで「普通」に戻ることを許されなかったトッドと、自ら命を絶つことでしか自分を守ることができなかったデンカーさんを見れば、バッドエンドと捉えるしかないのかもしれないけど、
トッドは「明るい未来」を、デンカーさんは化けの皮を剥がれる前に身を守ったという意味では、ベターなエンディングなのかもしれない。
あのトッドが今後幸せに、「普通」を送れる気はしないけども。
だって彼にはもうナチスの化け物の魂が宿ってるから、、
「俺も知らなかったんだ!ただ、友人のデンカーさんに、ちょっと助けてくれとお願いしただけなのに」と言っていれば、、
まあそうしたらカウンセラーはまた、
「そうか大変だったな。今なら私が助けてやろう、いつでも電話をくれ」ってセクシャリティ丸出しに誘ってくるだろうけど。