セプテンバーのmat9215のレビュー・感想・評価

ベルイマンラブをむき出しにしていた『インテリア』と同様に母娘の葛藤を中心に物語が展開する。本作ではさらに複数の色恋が配置され、仕立ては芝居のごとし。メンヘラのミア・ファーロウやクズ男のサム・ウォーターストーン、それに貫禄だしまくりの母親エレイン・ストリッチといった面倒臭い連中が物語の中で右往左往する。ベランダを除くと、ほぼ室内に限定された空間でカメラを動かすカルロ・ディ・パルマの撮影芸。底は浅いし狙いも小狡いけど、ちょっとだけ映画らしい瞬間があるのがアレン映画。