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暗黒街の対決のmitakosamaのレビュー・感想・評価

暗黒街の対決(1960年製作の映画)
3.3
初見は、今は無き浅草東宝オールナイト。このたびスカパーにて再見。
大好きな岡本喜八だが、暗黒街シリーズはハマんなかったんだよね。

そんなシリーズ2作目。ヤクザの対立する町に左遷された不良警官を三船が演じる。利権を巡って対立する二つの組。昔気質の親分に田崎潤。新興の組長に河津清三郎。
元田崎の子分で、河津の組に秘密を知られ奥さんを殺された、男に鶴田浩二。
バーを経営しながら復讐を考える鶴田に、穏便に事件を解決したい警官三船の友情劇。

やはり東宝は、東映や大映に比べ、ヤクザ映画にも品がある。あくまでハリウッド的なギャング映画を目指していたんだね。それが岡本演出の計算され尽くしたカット割と相まって、スタイリッシュに仕上がってる。

そしてユーモアもある。河津の組の殺し屋(天本英世など)が「お前等は普段はバックバンドで歌え!」と命令される。
「ええ?!」と動揺するが、次のカットで殺し屋3人がギターもって歌ってる(笑)このカット割のテンポの良さから来る笑いのセンスよ!

また、追われる鶴田に三船が「天井裏で寝ろ」とアドバイスするシーン。判っていでもワクワクしちゃう。こういうセンスは流石だなぁ。

復讐による殺人という罪を鶴田に追わせたく無い、三船のセリフ「友達だからだ」も格好良い。こういうちょっと照れくさいセリフと臆面も無く言うのがイカしてるよな。
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