エンドクレジットに入った瞬間に自分でもわけのわからないままボロボロ泣いてしまった。
ポジティブな涙ではなくて、とても悲しい気持ちだった。
『台風クラブ』とは似ているけれど、本作は写鏡のような関係で、『台風クラブ』を見て思春期ならではの狂乱だと私は思ったけれど、そうじゃなくて、実際は逆で、ずっとおかしくなっていてそれが瞬間にはじけたということなんだ。
桐島というおそらくあらゆる学生という存在の狂気をその身に受けた象徴の不在が発端となり徐々に波及していく様子を描いた本作はまるでパンデミック映画のようで、そういう意味でゾンビ映画がクライマックスに来るのはとてもおさまりがいい。
生まれた瞬間に死にはじめて、エントロピーが膨張し続ける宇宙のなかで人間だけが収束に向かって生きていかなくてはいけない。あまりに酷すぎる。
「戦おう。ここが俺たちの世界だ。俺たちはこの世界で生きていかなければならないのだから。」
追記:色々書いたけどやっぱり言葉じゃない。見終わってからずっと涙がこぼれてくるし、それが何故だかはやっぱり分からない。