このレビューはネタバレを含みます
吉田大八映画が大好きです。
青春映画の金字塔。
学校が世界の全てだった頃を思い出してとてもむず痒い気持ちになる。
スクールカーストの上と下で、男と女で、運動系と文科系と帰宅部で、見える世界も感じる事も感じる視線も全然違う。
僕はスクールカースト最下層だったから、前野朋哉の一挙一動が突き刺さります。
僕の中で、三大前野朋哉映画の1つ。
神木隆之介と東出昌大と橋本愛の3人が主演といった感じですが、捨てキャラ一切無し!!
カースト最上位の宏樹と梨紗の近くで虎の威を借る狐のような振る舞いをする沙奈を演じた松岡茉優がえげつない。
また、同じ持たざる者として風助を見つめる実果や、宏樹を遠くから見つめる事しかできない亜矢と吹奏楽部の後輩の絡みが甘酸っぱいです。
かすみと宏樹がお付き合いする相手にモヤモヤ。
何よりキャプテンですよね。「ドラフトが終わるまでは…ね」
名台詞と名場面が目白押し。
窮屈な学校の同じ日の同じ時間を、キャラごとの角度と視点で何度も繰り返す多重構造。
終盤に訪れるカタルシスは死霊のえじきチックで◎。
霧島自体は全く出てこないですが、物語の中心にものすごい重力を持って存在する。
カースト最上位に君臨する霧島がその価値観から急に離脱するとカースト上位の人間とその取り巻きたちは混乱するが、映画部の面々は全く気にもしないとかの対比も面白い。
まだ言いたい事が沢山あるけども…