BPM86

少年は残酷な弓を射るのBPM86のネタバレレビュー・内容・結末

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初鑑賞

だから子供を産む気はない。をより一層凝縮したような内容だった。
一種のギャンブル。というか人生最大のギャンブルと私は考えてしまう。

それはさておき、
基本母親目線でしか伝えてこないのでケヴィンの本質を見抜きにくく仕上がっているのが逆に、狂気性を表現できていて見応えありました。

色彩美を映像に差す事で対比や表現力に説得性を持たせているのも印象的。

エヴァとケヴィンの共通点や似た言動、仕草が随所にさらっと導入されている作りも良かった。

結局最後にやっと一瞬だけまともな親子関係になった気がする。ケヴィンの動揺した顔、エヴァの母親としての顔を見た時に「普通の親子」のように感じた。

ただ力強い眼差しでケヴィンと会話をした後は目から光が消えており、人生を終わらせる扉へと向かうようなラストはやはり自殺示唆を表現したのかな。

まぁどんな化け物でも血は繋がっていて、親だからっていうのはちょっと綺麗事すぎる。こういった事件で責められるのはいつも母親なんですよね。

でも貴方の大事な子供でしょ?可愛い子供でしょ?愛してやまないでしょ?こんな事を育児で悩んでる母親に投げかけるのは残酷ですよ。

「We Need to Talk About Kevin」

これ原題をそのまま訳してタイトルにしたほうがよかったような気がします。

映像作品としては申し分はないけれど、伝えたい事を伝える為には原題使った方が直球でいいと思う。そしてポスターもどうかと思う。正直ポスターで観る気がなかなか起きなかったし、もっと唆られるような広告打って欲しいのが本音。

なかなか消化しきれない内容だけど、久しぶりに集中して観れたので良作でした。小説も読みたくなりましたね。

デブとボロカス悪口言ってたけどお前の旦那もなかなかやぞ?って感じた、そんな映画でした。
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