ころっぷ

少年は残酷な弓を射るのころっぷのレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
3.5
冒頭から時系列が入り乱れ、この特質した家族の物語に否応なく強烈に引き込まれていく。映像の不穏さ、不可解な描写が、終始観る者に不安を与え続ける。何故?という問いを抱えたまま、留まる事無く地獄に落ちていく恐怖。何もかも失った母親が、それでも子供を愛さずにはおれない不可避の「愛」が、圧倒的な余韻を残す。キャスト陣の好演が忘れられないトラウマ体験。人間の奥底にある感情を見事に炙り出した怪作だ。