深江貞広

少年は残酷な弓を射るの深江貞広のレビュー・感想・評価

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)
3.0
考えた事がありますか? 

もし、生まれて来た愛すべき自分の子供が、自分に全く愛情を示さなかったとしたら。 

もし、生まれて来た愛すべき自分の子供が、恐るべき本性を隠し持ってるとしたら。 

もし、生まれて来た愛すべき自分の子供が、全てを奪ったとしたら。 


世界を飛び回り仕事をしていた有名な作家であるエヴァは、旅行先について来た恋人であるフランクリンとの間に子供が出来る。 

妊娠したエヴァには、何かしら得体の知れない違和感があった。 

そして、子供が生まれて、エヴァはそれが得体の知れない恐怖だという事に気づく。 

名前はケヴィン。 

生まれたてのこの男の子がエヴァの手の中で泣き止む事はなく、成長すればするほど、母親であるエヴァに否応無しに嫌がらせを繰り返す事になる。 

まるで計ったかのように知能遅れを演じ、8歳で未だオムツをし、母親の前でわざと大便を漏らす。 

子供は成長し、やがて美しい青年になるが、彼が母親を見る目には邪気を纏い、その無邪気な悪魔は、これ以上にないだろう残酷な結末を迎える事になる。 



なぜ? 

なぜ? 

なぜ? 

その言葉の答えは最後の最後に至っても、分からない。 

全ては絶望。そんな映画を見ました。 


この作品は現実にあった訳ではないんで、嘘だと言えばそれまでなのだが 

それにしてもケヴィン役の子供たちの演技に圧巻だったな 

現実味ある『オーメン』というか、『危険な遊び』というか 

『エスター』と子供ネタで比較されがちだが、全く違う映画ですからね 


『八日目の蝉』なんかとは全く真逆の作品で、一切の母親の愛が通用しないこんな状態で、女の人は何を考えるんだろうか? 

俺自身は、この子供たちの事を否定する事も出来ないし、そういう嫌なこともやってきているからこそ、自分の母親は子供の頃の俺が怖くて仕方がなかったと言ってた 

だから、少しこの少年が考えてる事が理解できるような感覚がある事に嫌悪感を感じる作品でした 


ビデオレンタルになったら見ようって、母親は笑っていたが、もし現実にこうなってたらと思うと、女の人はゾッとするのではないだろうか
深江貞広

深江貞広