猿山リム

わたしを離さないでの猿山リムのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
1.4
 多分「(500)日のサマー」辺りの繋がりで検索に引っかかって気になったところがあって買ってあったんだろう。
 10年ぐらい前にアマゾンで新品を買って積んであった一作。
 映画の日に何か観ようと崩した一枚。

 ノーベル賞作家の原作があるようだが、未読。
 ただ特典映像の中で、小説と違うところを見つけることが難しいほど再現されていると、著者自ら言っているので、全く同じなんだろう。

 作中で直接「クローン」という表現はなかった気がする。
 特典の制作秘話では当たり前のように語っているし、そうじゃないかなと思いながら観てはいたけれど、明言していない以上クローンじゃないかもしれない視点も捨てては観られない。
 ・・・と、すると意味がよく分らない話でもある。
 そもそもクローンだとしても、オリジナルの予備パーツにしかならないわけで。
 ・・・
 こういう考えの作品は、そんな無い話でもないわけで。
 クローン予備パーツの悲哀を描くなら、変にぼかさない方が伝わった気がするが・・・。
 問題を提起して、様々な謎を放置したまま、投げっぱなしで終わった印象。
 分かりやすくないのがノーベル賞なんだろう。
 
 勘のいい人なら、オープニングのシーンだけで展開が読めてしまうし、勘の悪い人は最後まで観ても何のことかよく分らないかもしれない。

 作中分かりやすく語られていないから推測だけど・・・。
 人権をクリアするために、人間のクローンを大量に育て、ドナーとして人間にパーツを提供することで医学を発展させた仮定の歴史の物語。
 人造生命であるクローンに魂があるのか。
 そんな世界観の中で、提供者とし施設で育てられた若者の人生。
 ・・・な、話じゃないかと。
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