shun

わたしを離さないでのshunのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.7
カズオ・イシグロのノーベル賞受賞時から観たかった本作、なかなか配信にはやって来なかったのですがディズニー+にあったので観賞しました。

臓器提供のためだけに生まれてきたクローンたちを主人公に人生の儚さ、心の存在、愛と友情を描くイギリス映画。
似たような題材を扱ったマイケル・ベイの「アイランド」の派手で先進的な世界観とは違い、静かにダークで淡々と進む。同じテーマを扱っていてもアメリカとイギリスだとこうも変わるのかあと思った。「ブラック・ミラー」や「ヒューマンズ」もそうだけどイギリスのSF結構好きです。

とにかく主演の三人がいいなあ。みんな若くて初々しさもあるのだけど、自分達の人生を受け入れることしか出来ず何処か諦めたようでいて、それでも生のためにもがき続ける様が見ていて苦しくなる。
キャリー・マリガンのラストは素晴らしかったし、アンドリュー・ガーフィールドの感情が爆発するシーンも良かった。ヒロインタイプのキーラ・ナイトレイをこっちに配置したのもおもしろい。アンドリューもキーラも体細いから本当に内臓が抜かれているようだった。

クローンである無いに関わらず命は有限で、その中で大切な人と幸せな時間を過ごせることの尊さを教えてくれる映画だと思う。
シャーロット・ランプリングがいい味出してた。
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