リッジスカイウォーカー

わたしを離さないでのリッジスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
3.3
倫理の壁をぶっ壊した世界はこうなります、を描いた作品。

自分の命を長引かせるためにクローンを作るという設定の作品はたくさんあるけど、そのための臓器提供を生々しく描いていることで、気持ち悪さと、それを仕事として淡々と処理していく人間がいるというモラルの無さを痛烈に映像に収めています。

そしてクローンの元となる人物が一切出てこないのもホラーです。(この人なんじゃないか?という描写はある)


クローンによる延命が当たり前となった世界は、クローンの人権は完全無視。

いくら心を通わせても。
いくら愛し合っていても。
人間らしく喜怒哀楽に満ち溢れていたとしても。


命は平等ではなく、生まれたその瞬間から運命は決まっている。

自分の力ではどうすることもできない人生は、その枠組みの中で生をどのように全うするかしか選べない。


諸行無常。


じゃあどうすればよかったのか?という道筋もない、どん底ストーリーなので気が滅入りました😞