なかなかに言語化しにくいが、直感的に「美しい」と思った。
クローンというものを通して「人間とは何か」「人間の条件」「人間像」などを問うと同時にその答えを表す作品だと感じた。
欲を持ち、誰かを愛し、妬み、かんしゃくを起こし、芸術で内なる「うねり」を表現する
それが人間であると、この作品から伝えられたような気がした。
最後のシェリーのセリフから考えるに、浜辺に打ち上げられた船は「過ぎ去った思い出」だと考えた。
「ここに来れば過去が流れ着く気がする。その中にはトミーも……」そんな、過去に対する後悔と懐かしさと戻ることの無い絶対性と無力感。それを自覚するために3人は再会したとき海に向かったのではないだろうか。