臓器提供ドナーになるためだけに生み育てられる人生。
抗えない運命に向かって歩まざるを得ない人たちと学校での日々を描く。
字幕で見ていたが、詩的描写・表現が多く、映像以外のイメージが膨らんだ。
そして儚さや淡さが映画全体に漂っており、終始鳥肌が立った。
だが、これまた儚いことにドナーによって救われた命は永遠を生きるわけではない。
人間の中に提供者とそうでない人といっま優劣など、誰に決められるというのだろう?
家畜やブロイラーのように育てられるとしても、同じ人間だ。
彼らは同じように人を愛し、性欲があり、美味しいものも食べたいし、色んなところに旅行に行きたい。
それも誰かのエゴによって心の奥に押し込められる。
彼らを納得させたものはなんだったのだろう?
小さい頃からの教育なのだろうか?
見ていて、人は希望を失った時、心から絶望するのだと切に思った。
誰かが言っていた。
僕たちは等しく死ぬから、終わりがあるから、人生は美しいのだと。