えりす

それいけ!アンパンマン いのちの星のドーリィのえりすのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

うーーんんこれはあんま良くない気持ちだよ。
被害者なのはドーリィで、あんな環境で生まれ育った(?)のなら仕方がない結果であり、ある種シンデレラコンプレックスというか。
自由な生を望み、いのちを授かったのはいいものの、うまいこと生きてかないと命なくなるよ〜という、ほぼ脅迫。自由やないやん。って思ったよねドーリィも

たしかにドーリィの言動は終始素直でなく、害悪だったのはわかるが、やはり問題はドーリィにではなく生い立ちにあるわけで、、(堂々巡り)
周囲の反応は浅はかで、ウザければハブるし死ねば惜しむ。めっちゃホラーだった笑笑

そんな報われぬドーリィの境遇を真に理解しているのはアンパンマンとロールパンナちゃんのみと感じました。
アンパンマンに関しては圧倒的な経験値やら自身の境遇などから、ドーリィの境遇を理解する能力を持っていたのではないでしょうかと思いますよ。
一方ロールパンナちゃんは、生きることに対して、諦めている姿勢が強いので、ドーリィの境遇を理解して寄り添うというよりは、むしろ突き放しというか。そんな人もいるよね。あなたもいればわたしもいるし、あの人だって存在するよね みたいな。結果受け入れている風的な。

トラウマのアンパンマン死亡シーンでは、ドーリィはなんのために生きるのか答えられないのは嫌だ!と言っていのちを捧げますが、べつに「人助けがしたいんだわたしは!」と言っているわけではなく、
生きる目的が「自由に好きなように生きるため」だと存在として認められないんだったら、わたしに生きる目的などなく、目の前にいる唯一の味方の(と思われる)アンパンマンを救うということが生きる(生きた)目的になるんだったらそうするしかなかろう!という、
ある種いのちの星からの脅しに屈した形が顕になった結果なのではないでしょうか?
それであのホラーシーン(みんな手のひらひっくり返し丸)へと進んでいくわけです……ここの方がトラウマまであるな

終始アンパンマンは多くを語らず、
特に印象的なのは、ドーリィが生き返ったシーンで、
ドーリィが「アンパンマン!アンパンマン!」と呼びかけるが、アンパンマンは「うん…!」としか言わないという。そのうんの重みを誰がわかるだろうよ笑

生まれ変わった(?)ドーリィは人形ではなく子供?の姿になっていて、なんか「上手く生きれるように溶け込まされた」感が私はウッと思いました。全体的に被害者はドーリィなのに。苦しい映画だった。

この映画のすごいところは、こういう風に捉えることもできれば、数の暴力()によって、子供たちには「ドーリィわるい子だ!」「ドーリィかわいそう泣」「ドーリィ生き返ってよかった!♡」という起承転結のみ認識させることができる点ですね。親はげっそりだよ。
えりす

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