しのごの

ローマの休日のしのごののレビュー・感想・評価

ローマの休日(1953年製作の映画)
5.0
銀幕の妖精、麗しきオードリー・ヘプバーン!
大好きです。
服装もヘアスタイルも佇まいも何もかも上品で洗練されていて真似したくなる。
やっぱりシャツにスカーフの組み合わせは無敵だなあ。
ショートヘアって あんなにも垢抜けるんだ。
更には、前髪を分けて おでこを見せるだけで あんなにも雰囲気が変わるのね。

真実の口のシーンがアドリブだと知り、繰り返し観て とても微笑ましくなる。
あのキュートな反応が彼女の素なのかと思うと とてつもなく愛おしく思える。



初めて鑑賞したのは中学生なりたての頃で、私にとっての人生初の白黒映画が本作だった。
父の解説に助けられながら鑑賞したことを思い出す。
この視線は こういう意図で、この沈黙は こういう意味で、ここで この音楽が流れるのは こういう理由で…… などなど。
野暮と言ったら それまでなのだけど、白黒映画は退屈で難解という偏見が強かった当時の私がエンディングまで観終えるためには そんな父の解説が必要だった。

その解説の おかげもあってか(?)、白黒映画でも こんなに面白いものがあるんだ!と感動した私には しばらくの間『ローマの休日』ブームがやってきて、台詞を覚えてしまうくらい立て続けに繰り返し鑑賞したような。
すぐに中学生の私の お気に入り映画のひとつになったのだけれども、唯一 納得できなかったのはラストシーン。
それまで勧善懲悪ものやシンデレラストーリーなど白黒はっきりした映画やアニメしか観たことのなかった私は すごく混乱した。
なんで あんな変な終わり方なの?!とプンスカしていた私に、母が一言。

「あのラストだから良いんだよ。」

大人になれば解るよ、と言われている気がして当時は腹が立ったけれども、現在なら解る。
とっても解る。
あのラストだから良いんだよね。
しのごの

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