あなぐらむ

肉体の門のあなぐらむのレビュー・感想・評価

肉体の門(1964年製作の映画)
4.2
戦後のパンパン達の、性を「生」に変え切り抜けていく様を、鮮やかな極彩色カラーでまさに絵巻の如く「見せつける」のが清順流。
木村威夫の美術により舞台(というより芝居小屋の趣)を映画の中で再構築する試み。
原作からマヤを抽出したホンは巧い。
映画デビューの野川由美子のはちきれんばかりの肢体、富永美沙子(町子)のぬめる肉体(拷問シーンは石井輝男ばり)、そして一番印象的なのは宍戸錠の生命力溢れるテカる筋肉美。寧ろこちらにこそ清順美意識はあるのではとさえ思わせる。
廃墟と牧師の件は溝口「夜の女たち」を彷彿とさせる。
見た後、どうしてもパイン缶を食べたくなる映画。