地下室を拠点にしている4人組のパンパン娘が、強盗を常習している復員帰りの男（宍戸錠）に性的魅力を見いだしていく。田村泰次郎の同名小説を映像化している、ヒューマン・ドラマ。筆者は原作を読了済み。
日本国の秩序の崩壊とパンパン国の秩序の建設を同時的に描きながら、「生きるための活力は精神ではなく肉体に宿る」という理念を示していく。宍戸錠は、自らの体を資本にしているパンパンに「女の幸福論」を投げ掛ける立場として登場する。
娘たちが戦隊ヒーローのような、色違いの格好をしているところが絵的に面白い。パンパンの生活様式が随分と端折られているが、戦後混乱期を再現しているセット撮影が壮観であり、役者陣のエネルギッシュな掛け合いもまた見応え抜群。
「女の幸福論を受け入れたら負け」の精神に則り、「Let it go!（流れに沿って突き進むしかない）」する女性たちの葛藤劇。女同士の折檻を演出した最初の作品と言われており、女優のヌードが本格的に登場するところも着目点となる。
