すずきた

翔べイカロスの翼のすずきたのレビュー・感想・評価

翔べイカロスの翼(1980年製作の映画)
3.5
キグレ大サーカスに実在した人物の生涯を小説家したものが原作。
フリーカメラマンがふとしたときに出会ったサーカス団に惹かれ、サーカス団の人物をカメラで撮っていくうちに自分もサーカス団の一員になり、芸を覚え、披露し、道化師として人気が出てきた最中に1本橋から落下し命を落とす。大まかなストーリーはこんな感じ。
冒頭のカメラマン時代が退屈で見る気が失せかけたが、サーカス団に入り真剣に取り組み周囲にも認められながらも人間関係に葛藤し団を良くすべくもがきながら成長していく過程が徐々に面白くなってくる。そして悲劇のラスト。
さだまさしさんが役者をやっていたことは全く知らずに観たが、共演者にも負けない良い演技だった。また主題歌の「道化師のソネット」が神曲。さだが27歳のときに作ったというのだから凄い以上の言葉が出てこない。
共演の原田美枝子さんもつまらない人生を送る影をもった人物を演じているが、可愛さが優ってしまっているような気が。。。
作品全体としてはコンパクトのまとまっているし、人間情緒がうまく描かれていて良い作品だと思った。
それにしても、サーカスに動物が出なくなってからどのくらい経つのだろうか・・・シルク・ド・ソレイユや中国雑技団のような人間を超えた技を披露するサーカスもいいのだが、動物たちが演技し、ピエロが楽しませてくれる昔のサーカスは老若男女問わずに楽しめるエンターテインメントだったのに。なんとか愛護団体とか世間がうるさく過敏になりすぎた弊害なのだろうが、息苦しくなり過ぎてはいないだろうか・・・ね。
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