Punisher田中

フィールド・オブ・ドリームスのPunisher田中のレビュー・感想・評価

3.8
「それを作れば、彼はやってくる。」
トウモロコシ畑から日々囁かれる声に導かれてレイは何かに取り憑かれた様に突如としてトウモロコシ畑を野球場へと変えるのだった...
立て替えたそのグラウンドにはメジャーから過去に追放された靴なしジョーと呼ばれる名手・ジョーが立っていた...

やはり80年代、90年代って色んな意味で映画産業がとてつもなく盛り上がっていた時代であり、奇跡の時代だったんだなと痛感した作品。
ストーリーがめちゃくちゃ突拍子も無いし、意味不明でとにかくスピリチュアルなのに、何故か見続けてしまう独特な面白さがある作品で、野球ミリ知らでもとても楽しめる傑作。
こういった理論的に説明が難しいけども面白い作品が沢山あるのが80〜90年代に多い印象で、現代とのギャップを楽しめるからだとか、あの当時の空気感をそのまま映画にしているからなのかは分からないが何か不思議な魅力が明らかに今作にはあった。
ラストシーンは本当に素晴らしく、そこで漸く初めて""何に対する映画作品なのか""が分かるのが良いが、それまで何に対して面白いと感じているのかを理解しないまま楽しめるのには多大なる細やかな工夫が施されているからかもしれないし、スピリチュアルな内容に伴ってスピリチュアルな面白さを持っていると自己完結させて見るのも悪くないかもね。
今作の映像に見える余白はかなり丁度良い具合で、理解できる反面、考察し甲斐のある部分もあるため、そこもまた今作を名作たらしめる所以なのかもしれない。