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フィールド・オブ・ドリームスの328のレビュー・感想・評価

4.0
ピーカンな青空、広大なトウモロコシ畑、アメリカンハウス。これだけで胸が熱くなってしまう憧れとも言える景色。
黒い画面に白抜きの明朝体的(多分違うけど)字体がこれしかないというサイズで表示されるオープニングクレジット。バックに流れるのは重厚でおっとりとした劇伴。
おそらく主人公であろう人物の経歴がどこかから拝借したか、加工物かという写真と洒落のきいた本人のナレーションで紹介される。
同時にその人物の人柄を伝えることに一役を担っていて、とにかくそれら全ては「これから素敵な映画体験が待っている」というメッセージのようで、画面の前の自分としては期待と安心感を抱かされる。

80年代後半の真っ当なハリウッド映画。
準備に抜かりのない旅立ちの日の早朝の様な清々しさと、これから待ち受けることになるであろう壮大な何かへの高揚感。
そしてケヴィン・コスナー、問答無用の納得感あるキャスティング。

物語世界にしっかりと引き込まれる、最高のオープニングです。これだけで大満足。

なんて思ってたら、強引なやり口であっという間に球場ができてしまい、あれよあれよと物語は進みます。こんな感じなのねという驚きも、「これぞ」で誤魔化してしまうまでこちらは準備できています。それはオープニングのおかげ。

この頃の良質なハリウッド映画は定期的に観ておきたいものです。

テーマ 3.8
画 4.3
ストーリー 3.9
キャラクター 4.0
音楽 4.2
豊かさ 4.0
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