ベンジャミンサムナー

君とひとときのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

君とひととき(1932年製作の映画)
4.0
 オリジナルの『結婚哲学』よりも先にルビッチ監督によるセルフリメイクの本作を観てしまった…。
 けど面白かった!

 『結婚哲学』を別にすると内容は同じルビッチ監督の『ウィンダミア夫人の扇』に似てるけど、同じような話でも描き方でこんなに変わってくるんだなあ。

 恋人や想い人が別の人とデキてると勘違いする展開はラブコメで山ほど観たが、夫の浮気相手自体を勘違いしたり、夫の不貞を疑う妻も別の男に言い寄られたりと、どんどんカオスな展開になって行くのが面白い。

 序盤の会話を切り上げて眠りたい夫と話し合いたい妻のやりとりに「電気のつけ消し」の動作を付与することで視覚的な可笑しみがでている。
 本作はミュージカル仕立てになっているが、「小悪魔のミッツィめ」(だったっけ?)と同じフレーズを繰り返す事で歌いながら天丼ギャグをかましている。

 人間の愚かさをユーモラスに描き、「お互い様だよね」とそのダメさを肯定する優しい終わり。

 これは『結婚哲学』の方も観なきゃ!