とうじろう

ハロウィンのとうじろうのレビュー・感想・評価

ハロウィン(1978年製作の映画)
3.1
静のホラー。キラーであるマイケルは喋りもしなければ感情も出さず、走ることもしない。まるでなにも返ってこない虚空を眺めているようで、じわじわと恐怖を煽る。実際に被害者が出るまでに一時間を要するが、それまでに行ったのはほぼ車の運転と此方を見ること。にも関わらず飽きない。ただし某ゲームのプレイヤーとしては、車を運転するマイケルが新鮮すぎて面白いので困った。
映像的にも特徴が多い。最低限の効果音と、作品を象徴する特徴的なBGM。スクリームであればしつこいほど音をつけるであろう場面が無音。要所で驚かせるのではなく、常に真綿で首を絞めるかのような演出。カットごとの時間が絶妙に長く、何かあるのでは?と思わせておいて何もない。敢えて手ブレのある映像にすることで、自然で臨場感のある仕上がりになっている。死角や間の取り方がホラーとして良い。