えッティ

ふくろうの河のえッティのレビュー・感想・評価

ふくろうの河(1961年製作の映画)
3.5
「もし、手が使えたら、紐を解いて 川に飛び込み、逃げるのに。」

この前振りからの、そのif が起こった時の展開の持っていき方に、これで良かったのかと疑問を持った。

これでは、オチがバレバレではないだろうか。

妻と娘の姿がスローで映っただけで、
「手が使えたら……」のセリフはいらなかったように感じた。


森の中を走る時の、方向性のぐちゃぐちゃ加減は とても良かった。
決まったところに向かっているのではなく、ただ 敵から逃げているのを演出しながらも、
最後の正面走りで、一点先を見据えているところから、妻と娘のところに向かっているのが演出されていた。

真逆の演出を、1つのシーンで同時に行えるのだと知り、新たな可能性を感じた。

しかし、この観終わった後の胸の高鳴りは 方向性だけではない。

ドラムロール。
鳴り出したり、消えたりするタイミングがちゃんと映像を彩っていた。
テンションの変動は、音楽と比例しているのかもしれない。

ストーリーは 微妙であったが、
映画を学ぶ身としては、とても勉強になる映画であった。
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