のふのふ

Kids Return キッズ・リターンののふのふのレビュー・感想・評価

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
5.0
〝俺たち終わっちゃったのかな〟

北野武作品だとやっぱこれが1番好きですね〜(´▽`)

授業をサボって悪さばかりしているマサルとシンジ。ある日カツアゲした高校生から仕返しにボクサーを連れてこられ、マサルは完敗。それをきっかけに乗り気でなかったシンジを誘い、ボクシングジムに通い始める。日々練習を重ねる2人。しかし皮肉にも才能が開花したのはシンジの方だった。マサルはボクシングを諦め、かつて知り合ったヤクザの元へ。2人は別々の道を歩み始める...。






やっぱ何度観ても大好きな作品です。

若い頃は夢は大きく。
青春の栄光、そして挫折。
最初に観たのは高校生の頃だったんですが、
歳を重ねて見返す度にどんどん突き刺さるものがあります!





〝お前がチャンピオンになって俺が親分になったらまた会おうや、じゃあな〟
マサルとシンジの2人が青春を突っ走っていく爽快さやモロさ。
冒頭のふらふらと進む自転車がすごく印象に残ります




そして
囁き悪魔的な林というキャラクターも強烈ですね!
〝強いやつは強い、弱いやつは弱い。何やっても変わらないんだよ〟
弱い。でもやたらずる賢く近道していく人間。
前見た時はこの人に対してイライラしかありませんでしたが、
大人になって見返すとまた違った印象です。
てか自分自身こういう人間になりかけてる...笑



学校の先生がやたら人生に関して冷めてるのも印象的でしたね〜
〝諦めろ、無理な話だ〟


終盤の教室のシーンも好きです!
校庭で自転車を乗りまわす2人。
それを眺める生徒を注意する先生、
〝こら、外ばっか見てんじゃない〟



でも色んな物や人に目移りして振り回される、
そんな不器用で遠回りな人生もありなのかな〜。

そこから最後の2人の会話を〝希望〟と捉えるのは楽観的かもしれません...。
でもこの苦い余韻を残すラストはすごい好きです





以上、「キッズリターン」!
バイク事故からの復帰作。
〝バカヤロー、まだ始まっちゃいねぇよ〟
北野武自身が出ていないという点でも本人的に特別な作品だったりするのかな〜
個人的に邦画だと1番好きな作品です!
オススメです!
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