ルサチマ

拳銃を売る男のルサチマのレビュー・感想・評価

拳銃を売る男(1953年製作の映画)
4.8
拳銃を売る浮浪者の男の歩みがラストの父の歩みへと引き継がれる。これは単に少年にとっての父なる存在として浮浪者がいたという美談には留まらない。寧ろ少年の視点から土壇場のラストでそれまで蔑ろにされていたと言っても良いあの父へとバトンが渡されてしまったことにこそ恐ろしさがある。少年はいとも簡単に友人に誘われパレード(興行)へ向かうが、金なき父は浮浪者の歩みを成すことでしか生きる術を持たぬ。この悲惨さを受け止め切れるかどうかが問われているように見えてならなかった。
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