鳩摩羅什

クロッシングの鳩摩羅什のレビュー・感想・評価

クロッシング(2009年製作の映画)
3.5
登場するのは3人の警官。「老いぼれ」と言われた警官は自分の正義を貫いて定年退職を迎え、家族のために金が欲しい警官はためらいながらも悪事に手を出す。ギャングに潜入した捜査官は仕事のせいで離婚し、全てを失った。3人それぞれが悲哀を抱えている。
何が善で何が悪か。その線引きは難しい。面子のために世論を誘導しようと画策する警察組織。そこに人生を捧げても、退職の手続きは冷たい。何のための人生か。正解は出ない。落語家・立川談志は「人はなぜ生きるのか。死ねないからだ」と言ったが、それなら自分らしく生きたいと願う。しかし、行き過ぎるとそのために死ぬという逆説も起きうる。
監督は2001年公開の『トレーニング・デイ』を撮ったアントワーン・フークワ。その後2009年に本作、2014年にデンゼル・ワシントン主演『イコライザー』を公開。
出演:リチャード・ギア、イーサン・ホーク
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