イチロヲ

不良番長のイチロヲのレビュー・感想・評価

不良番長(1968年製作の映画)
3.5
売春斡旋業を食い扶持にしている愚連隊が、巨大組織を相手にしたカツアゲ行為を画策する。梅宮辰夫が主演を務めている、不良番長シリーズの第1作目。

泰然自若とした番長(梅宮辰夫)率いる愚連隊を主役に据えている作品。「新宿の愚連隊が、関東挺心会に陽動作戦を仕掛ける→仲間たちが返り討ちに遭う→残されたメンバーでカチコミを決行する」というシリーズの雛形を最初に構築させている。

ヒロイン役を夏珠美が演じているが、愚連隊メンバーの大原麗子のほうに関心が高まってしまう。素人時代、本物のスケバンだったため、キャット・ファイトでの腰の入れ具合が半端ではない。ちなみに、女優のヌードは登場せず(下着姿はあり)。

チンピラをカッコ良く見せるのではなく、チンピラのカッコ悪いところを「滑稽なもの」として描いていくスタイル。本作の段階では、まだアドリブ性と悪ふざけが見られないが、アンチヒーローの何たるかを教えてくれる。
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