青二歳

偉大な生涯の物語の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

偉大な生涯の物語(1965年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

インド映画と見まごうジャケだけどUAが贈るキリスト一代記。長い。制作5年がかりの超大作。ハリウッドらしい“史劇”の重量感はありつつも真摯な"宗教劇"。ジョージ・スティーヴンス監督にとって初のシネスコらしく意欲的なショット多々。ロケもチカラ入ってます。
イエス地味顏…革命家イエスの過激さは控えめで神秘的な悟りフェイス。一方預言者ヨハネがえらく色っぽい。サロメは聖書ではなくピアズレー以降の表象のためエロエロに。ほか本作の特徴はなんといっても、他の作品ではスルーされ気味な弟子にもちゃんと台詞があるところ。他のキリスト伝なんてエキストラレベルだったりしますからね…なお磔刑のシーンも四つの福音書ぜんぶ混ぜ混ぜ。
ユダヤの統治者ヘロデ王とローマ帝国の統治者ピラト提督が丁寧に描かれているので、歴史的政治的な関係も分かり易…くもないな…なんせ長い。ラザロの奇跡まで2時間って。途中飽きて吹替えに切り替えたら中々の豪華キャスト笑。日本の吹替え文化はリスペクトしてますが、さすがにキリスト伝で日本語だと吹替え否定派の気持ちも分かる。

ハリウッドのキリスト伝観るとパゾリーニの神話的世界がなお好きになる。やっぱりパゾリーニは稀有な人だ。
青二歳

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