みおこし

偉大な生涯の物語のみおこしのレビュー・感想・評価

偉大な生涯の物語(1965年製作の映画)
3.7
『キング・オブ・キングス』に続き、またもやイエス様ものを観ております。何と本作、227分(!!)もございまして、不安に駆られながら観たのですが思ったよりも分かりやすく楽しめて1日で何とか鑑賞できました。

東方の三賢者がイエスが生まれたばかりの馬小屋を訪れるシーンから、受難後のイエスの復活までを描いた壮大すぎるスペクタクル作品。当時の映画スターをかき集めたと言っても過言ではない超豪華キャスト、しかも人によってはほんの一瞬しか映らないという贅沢すぎる起用の仕方。主演はこれがハリウッドデビューとなる『エクソシスト』のマックス・フォン・シドー(現在89歳!)。ヘロデ大王にクロード・レインズ、ヘロデ・アンティパスにホセ・フェラー、ピラトゥスにテリー・サバラスと、悪役陣だけでもハマり役すぎてびっくり(笑)。
聖母マリア役にドロシー・マクガイア、ユダ役にデビッド・マッカラム、ヨハネ役にチャールトン・ヘストン、他にも使徒役に当時の若手としては大人気だったサル・ミネオ、ロディ・マクドウォール。ほんの一瞬しか登場しないので、目を凝らさないと分からないのがジョン・ウェイン、シェリー・ウィンタース、キャロル・ベイカー、そしてシドニー・ポワチエ。あとはディズニー映画でおなじみのエド・ウィンや、『シェーン』のヴァン・ヘフリンも見つけました。
...と、とにかく間髪入れずにスターが現れるということもあり、彼らが一体どんな役で出てくるのかを探すだけで大騒ぎ。気づいたら長尺も終わっていました(笑)。いやー、昔のハリウッド映画って本当にやることが派手...!

キリストの生涯を辿れるという意味でも、大変綺麗にまとまっていて観やすかったです。慣れ親しんだ聖書の物語に、細かい要素をしっかり肉付け、さらに視覚効果やセットもお金をかけて再現してくれているので、より深く聖書の内容を知りたい方にはぴったりかも。それにしては長すぎるけど(笑)。マックス・フォン・シドーの醸し出す、あの神秘的な雰囲気もキリストにぴったりだなと。
これをまとめ上げたジョージ・スティーヴンス監督、さすがです。しかも、一部のシーンは巨匠デヴィッド・リーンが撮影したんだとか。音楽もアルフレッド・ニューマンが手がけたということで、スタッフも錚々たるメンバーでした。

どの俳優さんも圧巻の熱演だったのですが、個人的にグッと来たのがヴァン・ヘフリンとシドニー・ポワチエ。二人とも他のシーンにはほぼ登場しないのですが、それぞれ目力で観客に訴えかける印象的なシーンがあって、思わずホロリ。これは必見です。
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