Omizu

渇望のOmizuのレビュー・感想・評価

渇望(1949年製作の映画)
3.1
ベルイマンの初期作品。脚本は『夏の遊び』でもタッグを組んだヘルヴェット・グレヴェーニウス。

ベルイマン作品にしては脚本が整理されていなく散漫な印象。脚本がベルイマンじゃないということが大きな要因だろうか。

愛なき恋や結婚を三人の女性を通して描いた作品。ベルイマンならではの静謐でスリリングな心理描写は素晴らしい。

一つ一つの要素、エピソードは良いのだが全体を通してみると構成が難解で何が言いたいのか今ひとつ掴めない作品という印象。

悪くはない。ベルイマンの作家性は徹底されているものの、過去にいったり別の人物が唐突に主役になったりと分かりづらい。ベルイマンって基本的にはシンプルな展開でありながら心理描写が丁寧なイメージがあるのだが、他の人の脚本だとこうなるか、という感じ。

もう少し尺をとってそれぞれの物語を語ってくれればよかったのに。複雑な構成にしては尺が短すぎる。
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