ShinMakita

赤い河のShinMakitaのレビュー・感想・評価

赤い河(1948年製作の映画)
3.0
1851年。幌馬車隊の列から、一頭の牛を引いた馬車が離れて行く。乗っているのはカウボーイのダンソンとその相棒グルートだ。二人は牧場を持つという夢のため独立を決意、南下してリオ・グランデに向かう。しかしその途中、自分たちが別れを告げた馬車隊がコマンチ族に襲撃された事を知る。隊を構成していた民間人たちは全滅・・・ダンソンが残してきた最愛の恋人も死んでしまった。唯一の生き残りは少年マットと彼の小さな牛。ダンソンは、コマンチから逃げのびて彼を追ってきたマットを拾い、土地探しの旅を続ける。やがて見つけた広大な土地。ダンソンはそこに家を建て、自分の牛とマットの牛の二頭だけで牧場を開くのだった。

それから14年・・・「ダンソン牧場」はリオ・グランデ随一の大牧場に成長していた。しかし戦後の不景気で牛の値段が急落し、牧場の経営は成り立たなくなっていた。そこでダンソンは、牧場の牛1万頭をミズーリに運ぶ計画を立てる。グルートや成人したマット、そして従業員たちが牛の群れを誘導し、1600キロの長距離を移動すべく出発するのだが・・・


「赤い河」


悪天候や牛たちの暴走、そしてマットとダンソンの反目など、降り掛かる災難また災難。ダイナミックなアクションと人間ドラマで魅せる傑作西部劇でしたね。こちらのウェインも<父性>の象徴。ダンソン牧場のリーダーとして従業員らと牛を引っ張っていくのです。しかし頑固な性格が災いして、マットと意見が対立。リーダーの座を下ろされてしまうのでした。道中取り残されたダンソンは、一度引き返してから弾薬とガンマンを調達し、自分を裏切ったマットを追跡します。そして最終地点で迎える対決の時・・・マットはいわば「息子」的存在ですから、親子の対決というワケです。意地を張り合う父と子の決闘、なんですね。でもイヤーな結末にはなりません。見事なハッピーエンドを迎えるのでご安心を。ダンソンを慕っているのに敵対してしまうマットを演じるのはモンゴメリー・クリフト。ウェインと対照的な線の細い役者ですが、名演でした。
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