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赤い河のandesのレビュー・感想・評価

赤い河(1948年製作の映画)
4.0
ストーリーに不満はある。最後のまとめ方はスクリューボール・コメディならわかるが、シリアス&狂気路線に振っている本作ではいささか唐突である。が、それを補って余りある怒涛の映像(牛)で映像的な興奮は凄まじいものとなっている。
法も秩序もない西部を舞台に一代で牧場を築いたダンソン。頼れるリーダーが徐々に頑迷になり狂気をはらむのはスリリングで、マットとの人間関係の変化も良い。チェリーが良いキャラなんだが、あまり活躍がないのは残念。ヒロインももう少し描き込みがあればラストは説得力が出たと思う。
映像と演出は冴えている。牛の暴走はコヨーテの遠吠えの導入から、何気ないきっかけで暴走、仲間の死を経てコヨーテの遠吠えで締める(死体を喰われないために1人残る)。丁寧で豪快な名シーン。牛群と鉄道の邂逅シークエンスは痺れるカットだ。その他、マットとチェリーのガンアクションも見事だった。
ちなみに、ジョン・カーペンターはホークスの大ファンだそうで本作の終盤の殴り合いは「ゼイリブ」(1988)でオマージュしている。
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