映画おじいさん

我が家の楽園の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

我が家の楽園(1938年製作の映画)
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自由おじいさんと銭ゲバおじさん(金満銀行家)の対立から和解の物語。銀行家の息子役でジェームス・スチュワート。ちょっと顔が違うくらいに若い。

自由おじいさんの一家がみんな自由というより躁状態。おまけに素性の分からない他人まで抱え込んでいる(元レスラーのロシア人とか)。中でも踊ってばかりの孫娘とその旦那はちょっと知能に問題があるのではと心配になるほど。会計士からマスク作り職人(?)に転身するハゲおじさんの知能も相当低そう…。

何使われるのか分かんないから払わないと税務署役人とやり合うのは痛快。
自由おじいさん宅が過激派共産主義のアジトと間違われて公安にマークされるところは警察を笑いものにしていて左寄りの監督なのかなと思うほど(実際はのちに戦意高揚映画を製作するほどの保守)。

原題(諺・金はあの世には持っていけない)から分かるように、金の為だけにしたくないことをして生きてどうすんの?というのがメインのメッセージと思われるけど、自由おじいさん一家がパッパラパー過ぎてあんまり同意出来ない。
当時よりも好きなことをして生きるのがさらに困難な今の私たちの社会には合わない映画だとも思った。あまりにも楽観的過ぎて観ていて逆に落ち込んでしまう…。

自由おじいさんが近隣住民に無断で引っ越しを決意するのも自分勝手だなあと思えて微笑むことは出来なかった。

という訳でフランク・キャプラ作品の中では珍しく(初めて?)イマイチだったです。