にこ

我が家の楽園のにこのレビュー・感想・評価

我が家の楽園(1938年製作の映画)
4.0
フランクキャプラ監督作品はまだ二作品しか鑑賞に至っていないけれど、素晴らしき哉人生と比較してもキャプラ監督の作品がどんなものに仕上がるか、少しわかるような気がする。
キャプラ監督って、理想主義なんだろうな。
今を生きる現実主義な人には綺麗事言ってんじゃねえよと喝を入れられるような作品ですが、頭の片隅にでも入れて欲しい、そんな人生論を説いてくれる映画です。

実業家の息子と人生を謳歌し過ごしたいと考えるおじいちゃんの孫娘が恋に落ち、互いの家族の考え方の違いで問題が起き、そこでどうあるべきかを説く。
でもそのおじいちゃんの家族がまぁ行き過ぎておかしいんだよね、まさに奇人変人の集まり笑
まず、家族でもない他人が家に住んでるというところで、ん?どうした?となるのだが、
アリスの母親は画家だったはずなのに間違ってタイプライターが家に届いてから劇作家へと転身、
アリスの父親は花火作りに熱を上げ日々地下室で火薬を爆発させてばかり、
アリスのお姉ちゃんは微妙なバレーをほぼずっと踊り続けてる
そのバレーを教えてる振付師元レスラーの男が家に入り浸ってるし、
姉ちゃんの旦那?は木琴的ななのをやたらと弾いてるし
とにかくおかしい家族なんだけど、みんな優しく友達も大勢いてなんとも幸せに暮らしているのが微笑ましい(多少騒々しい)。

個人的な見所はひょんなことからこの家族とトニーの両親一斉に逮捕されて留置所送りに、そして裁判沙汰になるシーンその一連が面白いかついいセリフが出てきます。
裁判シーンでの保釈金を傍聴席のみんながカンパしてくれるところは素晴らしき哉人生を彷彿とさせ、本作の数年後に世に産み落とされたというのだからキャプラ監督の世界が繋がっているなぁと感じましたね。

ただ、完全ご都合なので色々合点がいかないところとか心情の変化とか違和感を覚えてしまうところがあるので、その違和感が見終わったあと先にたってしまうと評価は下がってしまう作品だと思いますが、
素晴らしき哉人生にはかなわないけど、私は素晴らしい作品だと思います。
にこ

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