ハレルヤ

さあ帰ろう、ペダルをこいでのハレルヤのレビュー・感想・評価

3.9
交通事故で記憶を失った孫を迎えに来た祖父の主人公。ドイツからブルガリアまで2人乗り自転車で一緒に帰り、絆を取り戻そうとするブルガリア発のロードムービー。

大雑把なあらすじですが、この物語の背景にはブルガリアの激動の時代があり、その情勢に翻弄された孫とその両親の姿があります。所々でその壮絶な過去のシーンが挟まれるので、祖父が孫を何とかして連れて帰ろうとする理由に説得力が生まれます。

最初はスロースタートで始まる本作ですが、中盤からの旅からドラマが徐々に深まっていく流れには、グイグイ引き込まれていきました。

結構重めのテーマがありながらも、全編ほのぼのとしているし、本当に素朴な雰囲気。それでも音楽や構成も含めて演出がしっかりしているので飽きることは全くありません。

そして祖父役のミキ・マイノロヴィッチの温かさがある演技は最高でした。こんなに孫思いの祖父がいたからこそ、孫も記憶を失った状態から自分を取り戻すことが出来たんだなと納得がいきます。

帰路に着く途中でのヨーロッパの自然の美しさも本作の魅力の1つ。ラストも笑顔になれるハッピーエンド。純粋に良い映画を見せてもらえた気がしました。

ブルガリアの映画は今まで馴染みがありませんでしたが、この映画を見たら他の映画も見たくなりましたね。
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