ノットステア

椿山課長の七日間のノットステアのレビュー・感想・評価

椿山課長の七日間(2006年製作の映画)
4.2
中学生の頃、好きな本を紹介するという国語の授業があった。お手本として先生が紹介していたのが浅田次郎『椿山課長の七日間』。読んでみたら面白かったのを覚えている。でもストーリーかなり忘れてしまった。また読み直してみようかな〜。



○松竹株式会社 【作品データベース】椿山課長の七日間
INTRODUCTION
上映時間·118分
読者から「死ぬことが怖くなくなった!」などの絶賛を受けた、浅田次郎の原作を映画化。西田敏行が、伊東美咲の姿に生まれ変わるという、感動あり、笑いありのファンタ ジー。
STORY
デパートに勤務する椿山課長(西田敏行)はバーゲンで大忙しの中、倒れて突然死してしまう。そんな椿山が目を覚ました場所は天国と地獄の中間に位置する“中陰役所”だった。ここでは「天国行き」か「地獄行き」かの審判を下されるのだが、自分の死に納得がいかず、かつ戻る事情があると判断された者は、3日間だけ現世に戻ることが許される。突然死した椿山は、現世への“逆送”を希望。戻ってきた椿山は正体を隠すため若い美女の姿になり…。
https://www.shochiku.co.jp/cinema/database/04649/



○感想
そんなに感動するってわけじゃないんだけど、なんか好きな作品。笑いどころもあるし最高。

以下、ネタバレあり















椿山課長の七日間というより椿山課長の三日間だと思う。

おじいちゃんが最高。
ただ、見知らぬ人に子どもを預けるところだけは共感できなかった。

死への恐怖が薄まる作品。中陰役所で天国か消滅を選べる。まさか消滅を選ぶ人が3人もいるとは。
だってお金はかからないし犯罪も病もない。好きな家に無料で住める。竪穴式住居もあったぞ。
現世の人とはしばらく会えないらしいけど、死んだあとなら引き合わせてくれるらしい。
人の恨みを買っていたとしても、天国で友達を作れば良いのに。。。
問題は若い姿には戻れないということ。死んだときのそのままの姿を引き継ぐらしい。ディズニーの『リメンバー・ミー』も死んだときの姿のままだったな、そういえば。



○あらすじ(逆送のところから)
椿山課長と同じように逆送を希望した人は72人いたが、審査に通ったのは3人。それぞれに事情があると判断された。
実の両親を探し出すことを希望するユウイチという小学生。
自分の死を理由に子分が抗争を起こすのを防ぎたいヤクザの親分タケダ。
逆送の条件は正体を明かさないこと。初七日が終わるまでの間だけ。子どもには大人の付き添いが必要ということで、椿山課長はユウイチの付き添いを引き受ける。
椿山課長の審査が通ったのは、重大な事実を知らずに死んでしまったことが気の毒だから。

ホテルで椿山が目を覚ますと、女性の体になっていた。名前をもじって椿(伊東美咲)と名乗る。
同じ部屋にユウイチが少女の姿でいる。蓮子(志田未来)と名乗る。
支給されたのは中陰役所の担当者と連絡できる携帯電話、必要なものが出てくる4次元ポケットみたいな鞄(ただしタクシー代は出ず電車賃がもらえる)、残り時間がわかる腕時計。

まずは鞄から出てきた喪服を着てユウイチの実家へ。ユウイチの実の両親の居場所は教えてもらえない。
椿山課長の父(桂小金治)が公園でパソコンを操っているのを発見する。

重大な事実①
老人ボケになってしまったと思っていた父が実はボケておらず、パソコンを使って孫とeメールをしていたこと。ボケたフリをしたのは、息子夫婦のため。施設に入れられたほうが家庭がうまくいくと判断したから。

椿山課長は役所の福祉課で勤めていた父に、ユウイチの実の両親の居場所を聞く。明日までに調べてくれる。
椿山課長は知人のふりをして自分に線香をあげに自宅に行く。そこには椿山課長の部下のシマダ(沢村一樹)がいた。

重大な事実②
妻には生前から愛人がいた。しかもそれは部下のシマダ。夫婦同然。椿山課長の息子のヨウスケは母の不倫に傷ついている。

そこに椿山課長の父が前項をあげにやってくる。ヨウスケは祖父のもとに行くという。家を出たところで、流れからヨウスケは蓮子と椿山課長と共に行動することになる。

ホテルで椿山課長はバーに行く。泣きまくる。
椿山課長はそこにいた若い男(成宮寛貴)に部屋に連れて行かれる。その男の腕には中陰役所から支給された腕時計がある。正体に気づく。

タケウチ(成宮寛貴)は子分たちに足を洗うよう手紙を送る。
子分の一人が勘違いしており、タケウチの弟分の市川(國村隼)を敵討ちとして殺そうとしていることがわかる。
タケウチは市川の身辺警護をする。

椿山課長は、息子のヨウスケが実は嶋田の子だったと知る。
蓮子は実の両親がヤクザの市川夫妻だと知る。タケウチに連絡する。翌日会えることになる。

椿山課長は職場に行き、行きつけのカフェでシマダと話をする。妻と結婚する前からシマダと妻には関係があった。
シマダが、出世のために都合の良い女を探している間に妻は椿山課長と付き合うようになった。新居を建てた椿山課長が引っ越しをシマダに手伝わせたのをきっかけに、シマダと妻の関係が再開した。
シマダは椿山課長のことを慕っていた。
それと同じくらい椿山課長と親友だった同僚のトモコ(余貴美子)とカフェで会う。人見知りのトモコは椿に心を開く。

夜、椿はトモコの家に行く。トモコは椿のことが好きだった。空気みたいな人だったからいなくなったら苦しいし、好きだったことも手遅れになってから気づいた。
椿山課長とトモコには秘密のサインがいくつかあった。周りからバレないためのサイン。その一つが鼻を触ること。

翌日。ユウイチと市川夫妻の再会。そこにはヨウスケと椿も。
蓮子は、ヨウスケにユウイチのフリさせて、産んでくれてありがとうと伝える。
そこにタケウチの子分が現れる。市川を撃とうとするがタケウチがかばう。タケウチが消滅。正体がバレる。

市川の妻は蓮子が息子だと気づき、抱きしめる。ありがとうと言い、蓮子も消える。

ヨウスケは椿山課長にありがとうと伝えたいと話す。伝わっているよと椿。
残り30分。椿はデパートで働くトモコの元に行く。好きだ、と鼻を触りサインを送る。
デパートの屋上で椿山課長が消える瞬間、トモコが現れる。鼻を触る。正体を知る。

中陰役所に戻る。急死した椿山の父と合流。4人は天国への階段をのぼっていく。