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ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のyutaのレビュー・感想・評価

4.0
シネマな雰囲気が刺さる一作。
出会いから始まって付き合って喧嘩して、再起してがお決まりの恋愛作品の筋書きだが、今作はほぼ全編を通して出会いを描いているため、何気なく電車で一緒になった人から気にかける存在へと変化する過程が会話を通して丁寧に描かれる。
会話劇で話が進行するのが基本的なスタンスで、情熱的に愛を追求するような演出ではないのが個人的にはポイントが高め。
関係性の構築において重要なのは、一緒に過ごす時間の長さではなく、嘘も偽りも無い自分で交わしたやりとりの質なのだと思わされる。
再会は約束したものの、ジェシーとセリーヌの関係性は限られた時間のみの関係性。後腐れの無いプラトニックな関係性だからこそ、素直に意見を言い合えるやり取りが素敵だった。
イーサン・ホークとジュリー・デルピーの2人の自然体なやり取りがウィーンの美しい街並みに映えていて、それによって生み出される洒落た雰囲気が非常に魅力的。
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