ただただ流れ続ける彼と彼女の会話。
時間は刻々と、無責任に、迫ってくる。
ヨーロッパをまわる列車でたまたま居合わせた男女が、ウィーンの夜をともに過ごすお話。
時間は限られていて。次、また会おうなんて、簡単には言えなくて。
初めて会ったはずなのに、二人の呼吸のスピードは驚くくらいぴったりだった。
きっと彼らの心のどこかには、また会える、なんていう希望、みたいなのが残ってたのかな。
画面の中の彼らが試聴室の中で、川沿いで、観覧車の中で、見つめ合う様子は愛しくて、尊かった。
ずっとこの時間が続けばいいのに、そうとも思ってしまうほどだった。
・・・
話せば話すほど、私は好きな人のことが好きになる。
そう彼女は言っていた。
でも、
理性のある大人の約束を忘れたの?
そうとも言う。
私にはそれがどこか寂しさを感じられた。
どこか、優しさが感じられた。
でも、でもなんとなく、彼らはまた、どこかでばったり会っちゃうんじゃないか、なんて思ってしまう、そんな映画でした。
おわ~り!