人類ほかほか計画

蜀山奇傅・天空の剣の人類ほかほか計画のレビュー・感想・評価

蜀山奇傅・天空の剣(1984年製作の映画)
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とにかくずっとずっと映像がごちゃごちゃし続けててすごい。

ガラドリエル様かアルウェンかみたいなキャラクターを演じるブリジット・リンのビジュアルが良すぎる。『オペレッタ狸御殿』のCG美空ひばりと同じような役回りのジュディ・オングは『必殺からくり人』で超かわいらしかったのなんかに比べたらさすがにおばちゃん感。

主人公たち若い三人が並んでる絵面とか完全にルーク、レイア、ハン・ソロだし、ツイ・ハークは「香港のスピルバーグ」って例えるよりはルーカスでしょ、当時の人よ、って思う(超大作もどんと来いの天才演出家がスピルバーグ、B級SFや冒険活劇など古き良きコンテンツをスピーディーな表現と革新的映像技法で復活させた革命児がルーカス)。

ラストシーンにツイ・ハーク出てるけど若いころ顔濃すぎて目立ちすぎ。

かなり手探りで作ったみたいだけどこのあともうすぐ次の年ぐらいにはチン・シウトンがワイヤーアクションマスターになってる香港映画界がすごい。

サモ・ハン演じる「長眉老人」という仙人(?)の長い両眉毛がユン・ピョウの両眉毛に繋がる、というファン必見シーンがある。

主役はユン・ピョウ、マン・ホイ、ムーン・リーの若者三人がまず中心なのに、なぜかDVDのジャケ写はアダム・チャンとサモ・ハンとブリジット・リン1とブリジット・リン2(1のニセモノのキャラ)っていう謎の人選になってる。

観ていてなんとなく印象が近い作品は、大林宣彦『ハウス』、塚本晋也『電柱小僧の冒険』、あと東宝特撮の『ヤマトタケル』、アニメ映画『幻魔大戦』。
観る前はもっと角川の『里見八犬伝』に似てるかと思ったけどそうでもなかった(里見八犬伝は1950年代の東映の子供向け中編連続冒険活劇のシリーズが台湾等に輸出されて人気でホウ・シャオシェンらも子供のころ観て好きだったと語っていて、それがあったので角川版も台湾では「あの懐かしの里見八犬伝のリメイク」って感じで大ヒットしたらしくエドワード・ヤンの『恐怖分子』か何かで台湾の街中のロケシーンで大きな宣伝看板が映っていた。なので香港のツイ・ハークらも観て影響されたのかなと思った。が『里見八犬伝』日本公開が1983年12月で、『蜀山奇傅 天空の剣』日本公開は1987年だが香港公開は1983年2月で『蜀山奇傅 天空の剣』のほうが作られたのは先だった)(逆に『蜀山奇傅 天空の剣』は香港ではそんなにヒットしなかったが日本でヒットしてユン・ピョウは嬉しかったらしい)。

なぜかカーペンターの『ゴースト・ハンターズ』に影響を与えたということがよく取り上げられるというか宣伝文句と化してるけど、「ふーんそうなんだー」以外何とも言えない。