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娘と私のodyssのレビュー・感想・評価

娘と私(1962年製作の映画)
2.5
【星由里子さん】

フランス女性と結婚した男(山村聡)が、一人娘(小橋玲子 → 星由里子)を育てるお話。途中で妻は病を得てフランスに帰国し病死してしまう。やがて日本女性(原節子)と再婚しますが、この二度目の妻もやがて病死。事実がこのとおりだったらしいので、原作者の獅子文六は奥さんに恵まれなかったんですね。でもそのあと三度目の妻ももらっているようですけど、映画ではそこまでは描いていません。

フランス人との混血娘なら容姿面で日本人と違いがでそうなものですけど、娘役はふたりとも普通の日本人を使っているので、その辺のニュアンスというか、混血ならそれなりの苦労もあったんじゃあ、という観客の疑問に答えるようにできていない。

それは別にしても、父と娘の関係はもっと色々あってよさそうな気がしますけど、案外淡泊に話は進みます。原作が私小説という限界ですかね。今の目で見て、そんなに面白い作品とは思えない。

後妻役の原節子が、なんか魅力に乏しいんですよね。もともと私は原節子って女優に全然女としての魅力を感じない人間なんですけど、この映画は特にその点がひどい。この時の原節子は41歳です。

一方、娘が大きくなってからを演じるのが星由里子。実は彼女が見たくて映画館に行ったようなもの。むかし中学生だったときたまたま加山雄三主演の『海の若大将』で星さんを見て、今風に言うなら「きれいなお姉さん」ということで強い印象を受けました。この『娘と私』はその3年前の作品ですが、今の目で見ると、大きな目と豊かなほおが魅力的ですけどスゴイ美人というほどでもないかな、とちょっと失礼な感想を抱きました(ごめんなさい、星さん)。

人間の審美眼も年齢と共に変わるのでしょう。でも、この時の星さんは18-19歳。できれば若大将シリーズで二十代の星さんと再会したいな。
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