イチロヲ

スケバンマフィア 肉刑(リンチ)のイチロヲのレビュー・感想・評価

4.0
売春行為を働いている女子高生(倉吉朝子&大崎裕子)が、売春斡旋業を担っているスケバンマフィアと接触してしまう。不安定な若年層の「性の暴走」を綴っている、日活ロマンポルノ。高山銀之助原作。池田敏春監督の第一回作品。肉刑はリンチと読む。

ファッション感覚で売春していた2人組の少女が、秘密組織との接触を契機にして、逼迫した状況に置かれてしまう。70年代前半に東映が展開していた、ピンキー・バイオレンス路線と似通っている内容。

主人公の2人組が、沈思黙考タイプと天真爛漫タイプに分かれており、それぞれが個別の立場から「何が正義か?」を考えあぐねる。春を買う側となる大人に矛先を向けていくシークエンスが痛快無比。

「少女の股間目掛けてバイクをジャンプさせる」という度胸試しのシーンでは、女優が吹き替えなしで実際に演じているように見える。スケバンマフィアの女ボス(渡辺とく子)が、主人公を諭そうとするメンターの立場になるところも面白い。
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