じみー

白熱のじみーのレビュー・感想・評価

白熱(1949年製作の映画)
4.5
列車強盗容疑でアシがついてしまったギャングのボス、キャグニーはガス室送りを逃れるために別件で自首して刑務所に潜伏するが、その工作を見抜いた財務省(シークレットサービス?)は敏腕潜入捜査官ファロンをギャグニーのもとへ送り込む。狂気の発作に怯えるキャグニーは、唯一の心の支えで頼みの綱の母親のいない孤独な刑務所生活のなかでファロンへの依存を強めていく。なんやかんやで脱獄して石油コンビナートの金庫を狙うも、ファロンの機転で警察に包囲され、母親を失い、女を失い、部下を失い、親友を失い、石油タンクの上で一人炎上大爆発死。こういう場合は誰が石油会社に補償するのか気になった。

キャグニーが酷い目にあえばあうほど愛しくなるのは人類に普遍的な感情。非人間的な狂気を帯びた犯罪者でありながら終始憎めないのがキャグニー。母親の死を知って悶えるキャグニー最高。また、この複雑なプロットを手際よく捌くストーリーテリングが見事。
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